粉瘤・脂肪腫(皮膚腫瘍)
皮膚にできるできものに、粉瘤(アテローム)という袋状のできものがあります。
脂肪腫という脂肪組織からなるできものも診療でみかける皮下のできものです。
皮膚腫瘍の治療は、手術になりますが、形成外科ならではの傷跡ができるだけ残らないように治療しています。
粉瘤(アテローム)
皮膚にできる袋状できものであり、よくみかける皮膚疾患の1つです。
通常は、痛みはなく、皮膚の膨らみとしてあるくらいですが、感染を生じることがあり、感染を生じた場合には、化膿して、腫れと痛みを生じることがあります。
治療
根治的な治療方法は、手術による摘出になります。
袋状のできものですから、それをきれいに摘出することになります。
方法としては、くりぬき法や、切除・摘出・縫合する方法などあり、その粉瘤に適した治療が必要です。
当院での考え方
粉瘤であれば、顔も含めてどこでもできる可能性があります。
粉瘤の治療においては、
- 粉瘤をきちんと摘出すること
- その際の傷跡はできるだけ小さくすること
が大事であると考えます。
先に記載しましたような、化膿がある場合は、その後の根治治療を考慮した治療方針が望ましいと思います。
よくあるご質問
- 化膿したみたいで、痛みがあります。
痛みがある場合でも、はじめて痛みがでたときには、粉瘤の治療も一緒にできることが多いので、はやめに診察を受けてください
- 他院で抗生剤を処方してもらったけど、だんだん痛くなりました
抗生剤だけでは対応できない状況になっていますので、切開処置や手術治療を受けていただくことがよい状態かと思いますので、早めに診察を受けてください。
- 自然に消えますか
粉瘤であれば、自然には消えません。 治療は手術になります。
- 他院で、悪いものでないから、様子を見てよいといわれました。
粉瘤は良性ですが、化膿することがあります。 化膿すれば腫れて痛みがでるので、治療をお考えであれば、その前に治療がよいでしょう。
また、化膿しなくても、粉瘤は徐々に大きくなってくることが少なくないので、気になった段階での治療がよいと思います。- 診察の当日に手術はできますか
できるだけ対応していますが、粉瘤の大きさ、予約状況によっては別のお日にちでお願いさせていただくことがございます。
脂肪腫
皮下にできる、脂肪からなる良性の腫瘍です。
ふくらみとして触れますが、それ以外の症状がないことが多いです。
急速な変化があまりありませんが、ゆっくりと大きくなることはあります。
治療
根治的な治療方法は、手術による摘出になります。
当院での考え方
脂肪腫であれば、無症状であるために様子をみることもあります。
ただ、様子を見ても小さくなってなくなるわけではありません。
大きくなってから手術をするのであれば、小さいうちの方が傷跡も小さくて済むことが多いです。
石灰化上皮腫
皮膚にできるできものであり、よくみかける皮膚疾患の1つです。
乳幼児のお子さんの顔や女性にみかけ、大人の場合には上肢に認めることが多いです。
治療
根治的な治療方法は、手術による摘出になります。
切開した部分は、縫合しますが、簡単な手当で日常生活はすごせます。
ただ、まれに、急速に大きくなってくることがあり、その際にできものの直上の皮膚が水ぶくれのようになることがあります。皮膚が水疱化してしまった場合には、整容的にその部分の切除も必要になることがありますから、早期の治療が望ましいと言えましょう。
当院での考え方
石灰化上皮腫は様子を見ても小さくはならないです。
大きくなると、それだけ手術の際にキズを大きくしなければならない可能性がありますから、治療を行うのであれば、早期治療がよいと言えますね。